燃焼方式と燃焼装置

ここからはボイラーの運転に重要な燃焼方式と燃焼装置についての学習です。

LESSON58 燃焼の要件

燃焼とは、物質が熱と光を発して酸素と化合する現象をいいます。ボイラーの燃焼は、燃料と空気(酸素)が燃焼室で反応することですが、これだけでは燃焼することはなく、点火源があり、燃料、燃焼室の温度が燃料の着火温度以上になっていなければなりません。


燃焼でもうひとつ大切な要素は、着火性と燃焼速度です。着火性の善し悪しは、燃料の性質、燃焼装置などの構造、空気導入部の配置などによって分かれます。燃焼速度は燃焼が進行する速さのことで、着火性がよく、燃焼速度が速いと、完全燃焼させるのに、狭い燃焼室でよいこともあります。

LESSON59 液体燃料の燃焼方式

▲液体燃料の燃焼方式


液体燃料の燃焼方式には、一般的に噴霧燃焼式が用いられています。バーナによって燃料油を霧化して燃焼を行ないます。良好な燃焼を行なうには、適切な油温、霧化を行なわなければなりません。適切な油温は重油の粘度が下がり、噴霧の微粒化が容易になり、燃焼に良い状態を与えることになります。

バーナで噴霧された液体燃料は空気と混合して、バーナタイル、炉内からの放射熱によって、加熱、気化し、温度が上がって着火温度を維持し、火炎を形成します。油はバーナタイルより離れたところで急激に気化し、その後は固形残さ粒子が分解し、完全に気化燃焼を行ないます。

▲重油燃焼の処理方法

重油は石炭の燃焼と比べて、下記のような特徴があります。

○長所
・石炭より発熱量が高い
・貯蔵中は自然発火、発熱量の低下のおそれがない
・運搬、貯蔵が容易である
・燃焼の操作が簡単
・すす、ダストの発生がほとんどない
・ボイラーのさまざまな負荷に対応力がある
・少ない過剰空気で完全燃焼させることができる
・急着火、急停止が容易である
○短所
・重油は燃焼温度が高いため、ボイラーの炉壁の損傷、局部過熱を起こすことがある
・点火操作、油の漏れ込みなどによる炉内ガス爆発を起こすことがあるので、注意が必要である
・ボイラーを腐食させたり、大気を汚染する
・油の引火点が低いので、火災には十分注意する
・バーナの構造によって、騒音を発生することがある

[重油の加熱について]
B重油、C重油など粘度の高い重油は、噴霧に適した粘度に下げるために、加熱します。加熱温度は、B重油は50~60℃、C重油は80~105℃で、低すぎたり、高すぎると、下記のような障害が起きます。

○低すぎると
・すすが発生し、カーボン(炭化物)が付着します
・霧化不良により、燃焼が不安定になります
○高すぎると
・カーボン生成の原因となります
・バーナ管内で油が気化し、ベーパロック※を起こします
・噴霧状態にむらができて、いきつぎ燃焼となります

※ベーパロックとは、重油の温度が高すぎると、重油が蒸気になって管の中で気泡を生じる状態をいいます
▲重油燃焼の障害防止

○燃焼生成物の付着防止
燃料の不燃物は、燃焼によって大部分は煙突から排出されますが、一部はボイラーの伝熱面に付着物となって、たい積します。この付着物を防ぐには下記の対策が必要です。
・燃焼方式を改善し、不完全な燃焼が生じないようにします
・灰分、ナトリウム、硫黄、バナジウムが少なくなるように前処理をします

○低温腐食の防止
重油燃焼による低温腐食は、硫黄分の燃焼によって生成された二酸化硫黄が過剰の酸素と反応し、三酸化硫黄となり、それが燃焼ガス中の水、蒸気と結びついて、硫酸、蒸気を生成し、燃焼ガスの露点※を上昇させることです。



低温腐食を抑制するには下記のことを行ないます。

・排ガスO2%を下げ、二酸化硫黄から三酸化硫黄への転換を抑制し、燃焼ガスの露点を下げます。
・硫黄分の少ない重油を選ぶようにします
・低温伝熱面には耐食材料を使用します
・低温伝熱面の表面に保護被膜を用います
・給水温度を上昇させ、エコノマイザの伝熱面の温度を高く保ちます
・添加物を使用して、燃焼ガスの露点を下げます
・蒸気式空気予熱器を使用して、ガス式空気予熱器の伝熱面の温度が低くなりすぎないようにします
・燃焼室、煙道への空気漏入を防止して、煙道ガスの温度低下を防ぎます

▲液体燃料の燃焼装置

重油が燃料の場合は、重油の特性に適した火炉の設計構造、それに適した燃焼装置が必要です。ボイラーの構造、築炉、バーナの特性、容量などに適合した燃焼装置を選択することが重要です。

○油燃焼装置の概要
燃料系統図(地下貯蔵タンクの場合)の例

画像をクリックすると拡大します

[燃料油タンク]
燃料油タンクには貯蔵タンクとサービスタンクがあります。貯蔵タンクは屋内、屋外の地下や地上に設置され、1週間〜1ヶ月の使用量を貯めておきます。サービスタンクはボイラーに燃料を供給するタンクで、通常は最大燃焼量の2時間分以上を貯めておきます。消防法により、燃料油はタンクや配管などは貯蔵タンク又は地下貯蔵タンクとその配管は構造上の技術基準が定められていますので、それを守らなければなりません。

[屋外貯蔵タンクに取付けるもの]
・油送入管(タンクの上部に設ける)
・油取出し管(タンクの底部から20~30cm上方に設ける)
・通気管
・水抜き弁(ドレン抜き弁)
・油逃がし管(オーバーフロー管)
・油面計
・温度計
・油加熱器
・掃除穴
・アース
サービスタンクにはさらに自動油面調節装置を設けます

[油ストレーナ(油ろ過器)]
油の中の土砂、ごみ、鉄さび、その他の固形物を取り除くためのものです。

[油加熱器(オイルヒータ)]
燃料油を加熱して、噴霧に最適な粘度を得る装置が油加熱器です。A重油の粘度以下、計質油は通常、加熱は必要ありませんが、寒冷地などで粘度の高いときは加熱することもあります。油加熱方法には、蒸気による間接加熱が一般的ですが、蒸気による加熱ができない場合は、電熱式のものが用いられます。

○油バーナ

燃料を霧化して噴霧し、空気と接触しやすくして、燃焼反応を速くする働きがあります。油バーナの種類には圧力噴霧式バーナ、蒸気噴霧式バーナ、低圧気流噴霧式バーナ、回転式(ロータリ)バーナ、ガンタイプバーナがあります。

[圧力噴霧式バーナ]
大・中容量ボイラーに用いられます。油に高圧力を加えて、ノズルチップから勢いよく噴出させ、霧化させます。圧力噴霧式バーナは、ターンダウン比(バーナ負荷調整範囲)が狭いので、下記の方法が併用されます。
・ノズルチップを取り替えます
・戻り油式圧力噴霧式バーナを用います
・ブランジャ式圧力噴霧バーナを用います
・バーナの数を加減します

ターンダウン比:バーナの定格燃料流量に対する最小燃料流量の比。最低出力と定格出力の比。

[蒸気(空気)噴霧式バーナ]
大・中容量ボイラーに用いられます。蒸気または圧縮空気のエネルギーで油を霧化します。
Aバーナ先端に混合室があり、油、蒸気、空気などの霧化媒体を混合し、ノズルから噴霧して油の微粒化をします
Bノズル内で、油に高速の蒸気を吹き付けて、微粒化をはかります。

[低圧気流噴霧式油バーナ]
比較的低圧の4~10kPaの空気をバーナ先端の渦巻室で油と混合し、ノズルから噴射して霧化します。小容量ボイラーに用いられます。

[回転式バーナ(ロータリバーナ)]
回転軸に取付けられたカップの内面で油膜を形成し、遠心力で油と一次空気で油を微粒化します。カップの内面が汚れると、油膜が不均一になり、油の噴霧が悪くなります。中・小容量ボイラーに多く用いられます。



[ガンタイプバーナ]
ガンタイプバーナは形がピストルに似ているので、こう呼ばれています。ファンと圧力噴霧式バーナを組み合わせたもので、軽油、A重油を使用します。燃焼量の調節範囲が狭いので、自動制御のものが多く、小容量ボイラー、暖房用ボイラーに用いられます。

●油バーナの種類一覧表


次はLESSON60 気体燃料の燃焼方法の学習です。

LESSON60 気体燃料の燃焼方式

気体燃料はガスと空気の混合のしかたで、拡散燃焼方式(外部混合燃焼方式)と予混合燃焼方式に分類されます。

●拡散燃焼方式(外部混合燃焼方式)
この燃焼方式はガスと空気を別々に燃焼室に送り、ガスと酸素を自然又は乱流拡散で混合させながら着火して燃焼させる方式です。バーナ内に可燃混合気を作らないため、逆火の心配がありません。空気の流速、旋回強度、ガスの噴射角度、分割法などで火炎の広がり、長さ、温度分布などの火災特性の調節がしやすいため、ボイラー用バーナはほとんどこの方式を採用しています。

●予混合燃焼方式
この燃焼方式はガスに空気を前もって均一に混合させ、同一ポートから燃焼室に噴出して燃焼させます。一時空気量が理論空気量より多く、二次空気量を必要としない完全予混合燃焼と、一次空気量が理論空気量より少ない部分予混合燃焼があります。逆火(フラッシュバック)※の危険性があるので、点火バーナなど、小容量のものに使用されます。

※逆火にはバックファイアという場合と、フラッシュバックという場合があります。この場合は炉外に炎が吹き出すことではなく、バーナの中に炎が入ってしまうことで、フラッシュバックといいます。
▲燃焼の特徴

気体燃料は、都市ガスのように、燃焼してもSO2を発生させず、NOxの発生も大変少なく、環境にやさしい燃料です。特徴には下記のような点があります。

[長所]
・燃焼の調節が簡単です
・ガスバーナの構造が単純です
・硫黄をほとんど含まないため、大気汚染と低温腐食がない
・他の燃料に比べ、少ない過剰空気で完全燃焼する
・灰が出ないので、伝熱面の汚損がない
・安定的に燃焼が得られるので、点火、消化が自動化しやすい

[短所]
・液体燃料、石炭などに比べ、価格がやや高い
・都市ガスを使用する場合を除き、貯蔵や輸送に大きな施設が必要です
・ガス漏れ事故、ガス爆発の恐れがある
▲気体燃料の燃焼装置

ガスを供給する装置には都市ガス(天然ガス)用とLPG用があります。

◯ガスの供給装置

[都市ガスの供給と施工区分]
都市ガス(天然ガス)は工場から高圧で送られます。そこから大口ユーザ、小口ユーザに適した圧力でガスがそれぞれ送られます。ボイラーの場合は中圧、中間圧で供給されます。区分バルブまでがガス会社の施工範囲です。



[LPGの供給設備]
小容量のボイラーに使用の場合は50kg又は500kgのボンベにLPGを充填して輸送し、複数のボンベを集合・連結して配管で供給します。中・大容量のボイラーに使用の場合は、LPGはタンクローリで輸送し、常温加圧式の貯蔵タンクに貯蔵します。

◯ガスバーナの方式
ボイラー用のガスバーナはほとんどが拡散燃焼方式を利用しています。ガスの分散・噴射方法、空気の流速、旋回の強さ、保炎器(スタピライザ)の形状などで、火炎の形状、ガスと空気の混合速度を調節し、目的の火炎をつくっています。燃料ガスの噴射方式によって下記のように分類します。

1.センタータイプバーナ
単純な構造のバーナです。空気流の中心にあるノズルの先端からガスを放射状に噴射します。
2.リングタイプバーナ
リング状の管の内側に多数のガス噴射孔があけられ、空気流の外側からガスを内側に向かって噴射します。
3.マルチスパッドバーナ
空気流中に数本のガスノズルをセットしたもので、マルチランスタイプと呼ばれています。混合の促進を図るためにガスノズルを分割しています。
4.ガンタイプガスバーナ
中・小容量ボイラー用ガスバーナはガンタイプガスバーナを利用することが多いようです。バーナ、ファン、点火装置、火炎検出器を含めた燃焼安全装置、負荷制御装置を一体化しているのが特徴です。

次はLESSON61固形燃料の燃焼方式の学習です。

LESSON61 固体燃料の燃焼方式

固体燃料のほとんどは石炭です。燃焼方式には火格子燃焼、微粉炭(バーナ)燃焼、流動層燃焼の大きく3つに分けられます。
▲燃焼方式

◯火格子燃焼方式
固体燃料を燃焼させるための格子状の火床のことを火格子といいます。火格子燃焼には上込め燃焼と下込め燃焼の2種類の方式があります。

[上込め燃焼]
一次空気と給炭方向の供給方式が逆のものです。上込め燃焼の火格子の上の層は下から順に灰層、火層、燃料層からなります。

[下込め燃焼]
燃料を火格子の下から供給して、燃料の供給方向と一次空気の供給方向が同一であるものです。もみ殻などの粒の小さい植物燃料などに多く用いられます。

◯微粉炭バーナ燃焼方式
石炭を粉砕し、これを一次空気ととともに圧力をかけ、管を通して燃焼室に送り、微粉炭バーナから炉内に吹き込んで、浮遊状態で燃焼させます。発電用ボイラー、大容量ボイラーに使用されます。

微粉炭バーナ燃焼の特徴
[長所]
・中容量から大容量まで適用の範囲が広い
・少ない過剰空気で高効率の燃焼ができる
・高温の予熱空気の使用が可能です
・低品位炭や無煙炭など、使用石炭の幅が広い
・燃焼の調節がしやすく、点火、消火に時間がかからない
・火格子燃焼のように、消火時に火格子上に残る石炭の損失が少ない
・液体燃料、気体燃料との混合燃焼がしやすい
[短所]
・設備コストが高い
・所要動力が大きい
・保守メンテナンスコストがかかる
・火格子燃焼と比べて大きな燃焼室がいる
・最低連続負荷を小さくすることが難しい
・飛散灰(フライアッシュ)が多く、集じん装置が必要
・爆発の危険がある

◯流動層燃焼方式
立て形の炉内に水平に設けられた多孔板の上に、石炭(粒径1~5mm)と団体粒子(砂、石灰石など)を供給し、多孔板の下から加圧空気を送って、多孔板の粒子層を流動化して、燃焼させる方法です。
石灰石の溶解を避けるため、燃焼層には水管を通して、層内温度を700~900℃に制御します。石炭と一緒に石灰石(CaCO3)を送入すると硫黄酸化物の排出を抑えることができるので、硫黄分の多い燃料の燃焼方法としても利用されています。


[流動層の燃焼の特徴]
・燃料が低質なものでも使用できる
・槽内に石灰石を送入することで、炉内脱硫ができる
・低温燃焼のため、窒素酸化物(NOx)の発生が少ない
・層内での伝熱性能がいいので、ボイラーの伝熱面積が小さくてもよい
・微粉炭だきと比較すると、石炭粒径が大きく、粉砕動力が軽減されますが、煤塵排出、通風損失の増大に対処しなければならない。
▲固体燃料の燃焼装置

固体燃料の燃焼装置としては火格子、微粉炭には微粉炭バーナが用いられています。

◯火格子燃焼装置
火格子燃焼装置には手だき火格子と機械だき火格子に大きく分けられます。
下記の図のようにそれぞれ分類されます。

※ストーカとは給炭という意味です。

[機械だき火格子(ストーカ)]
・移動床ストーカ
火床上に石炭を置き、これを水平に移動させ、燃焼させるものです。
・階段式ストーカ
階段状の火格子に燃料をのせ、これを燃焼させるものです。
・散布式ストーカ
燃料を機械的に連続して炉内に散布するものです。

◯微粉炭燃焼装置

[微粉炭供給装置]
微粉炭機(ミル)で粉砕された微粉炭を一次ファンにより、直接バーナに送る方式です。
[微粉炭バーナ]
微粉炭を一次空気と予混合してバーナに送られ、二次空気をバーナの周囲から噴出するものです。

LESSON62 大気汚染の防止

燃料の燃焼によって生じた物質は、大気汚染の原因やボイラーの障害になったりします。

▲大気汚染物質と発生の抑制

硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、ばいじん等を大気汚染防止法ではばい煙と呼んでいます。

◯硫黄酸化物(SOx : 通称ソックスといいます)

ボイラーの燃焼で排出されるばい煙は、主に硫黄の酸化物の二酸化硫黄(SO2)です。さらに数%の三酸化硫黄(SO3)、数種類の硫黄酸化物(SOx)が微量含まれています。硫黄酸化物は呼吸器系の障害、循環器にも有害な物質です。窒素酸化物とともに酸性雨(pH5.6以下の雨)の原因になります。



硫黄は燃焼によって、一部が無水硫酸(SO3)になります。無水硫酸は燃焼ガス中の水分(H2O)と化合して、強い酸性、硫黄ガス(H2SO3)になり、ボイラーの低温部空気予熱器、節炭器などに触れ、腐食を起こします。これを低温腐食といいます。

[硫黄酸化物の発生、低温腐食を抑制する方法]
・硫黄分の少ない燃料を使用する
・排煙脱硫装置を設置する
・煙突を高くして、着地濃度の低減を図る
・低酸素燃焼をして、排ガス中のO2%を下げ、 CO2%を上げる
・低温伝熱面を硫酸ガスの露点※以下に保つ
・伝熱面に保護被膜を付けたり、耐食材料を用いる
・燃焼障害抑制作用のある添加剤を使い、燃焼ガスの露点を下げる

※露点とは、水蒸気を含んだ空気を、気圧を変えずにその温度を下げ、飽和に達して凝結し始める温度のことです。

◯窒素酸化物(NOx : 通称ノックスといいます)

大気汚染物質として発生する窒素化合物は、一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO2)、この他に数種類の化合物があり、これらを総称して窒素酸化物といいます。燃料を空気中で燃焼した場合、発生する大部分は一酸化窒素(95%)で、少量が二酸化窒素です。燃焼による一酸化窒素の生成量は、燃焼中の温度が高く、酸素濃度が大きく、高温部の反応時間が長いほど、増加します。発生した一酸化窒素の一部は燃焼中の酸素によって酸化され、二酸化窒素になります。

燃焼によって生ずる窒素酸化物には、燃焼に使用された空気中の窒素が高温度条件下で酸素と反応して生成するサーマルNOxと燃焼中の窒素化合物から酸化して生ずるフューエルNOxの2種類があります。

[NOxの発生抑制方法]
・窒素化合物の少ない燃料を使用する
・炉内燃焼ガス中の酸素濃度を低くする
・燃焼温度を低くして、特に局所的高温域が生じないようにする
・高温燃焼域での燃焼ガスの滞留時間を短くする
・排煙脱硝装置を設置し、燃焼ガス中の窒素酸化物を除去する

[実際の燃焼方法改善策]
濃淡燃焼、低NOxバーナの使用、排ガスの再循環、二段燃焼、蒸気噴射燃焼などの方法があります。

◯ばいじん(煤塵)

ボイラーでは固体燃料、液体燃料、特殊燃料などを燃焼させたときに発生するすす、ダストを総称してばいじんといいます。すすは燃料の燃焼で分解した炭素が遊離炭素として残存したものです。ダストは灰分が主なもので、これに少々の未燃分を含まれたものです。ばいじんは不完全燃焼により発生し、人体への影響は呼吸器の障害(慢性気管支炎等)です。

[ばいじんの低減対策]
・適切な通風を行う
・燃焼装置を定期的に整備し、いつも良好な燃焼ができるようにする
・燃焼室の温度を高く保つ
・無理だきをしないようにする
・灰分、残留炭素の少ない適正な燃料を使用する
・集じん装置を設置する

次は燃焼室と通風について学習します。

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(吹替版)

新品価格
¥199から
(2018/11/26 18:48時点)